労働基準法は労働者の保護を目的とした法律で、生存権を保障する為に作られているのが特徴です。
この法律では労働の契約や賃金、労働時間に休暇、災害時の補償に就業規則といった労働条件に関する内容が含まれています。
制定されたのは1947年のことで、日本国憲法に基づく形で施行されました。
労働三法のうちの一つである労働基準法
労働基準法は労働組合法や労働関係調整法と並び、重要性の高さから労働三法と呼ばれています。
日本国憲法では国民に対し、労働権というものが規定されます。
労働権は働く人の権利のことで、この法律は労働権を守る為にあるといえるでしょう。
仮にもし労働者に不利な違反行為が発生すると、内容に応じて罰金や懲役といった刑事罰が科されることになります。
強制労働などは特に刑事罰の重い違反ですが、そこまで極端な違反でなくても、重大な違反には相応のペナルティがあります。
労働基準法で定められていること
労働基準法は、賃金の支払い方や労働時間、時間外や休日労働の取り決め、割増賃金や解雇予告、有期労働契約などの労働条件の最低基準を定めます。
例えば賃金支払いの原則では直接払いか通貨払い、全額払いや毎月払い、一定期間払いといった決まりがあるわけです。
一方、労働時間の原則は1週あたり40時間、1日8時間となっています。
時間外や休日労働については労使協定の締結、割増賃金は時間外に深夜2割5分以上で休日は3割5分以上などです。
解雇予告は労働者を解雇する時に、30日以上前に予告をするか、30日分以上の平均賃金を支払う定めがあります。
この30日ルールは割と広く知られていますが、その他のルールについては案外知らない人もいると思われます。
労働者であれば例外なく自分に関係する法律なので、詳細は別としても概要だけでも頭に入れておくことをおすすめします。
違反した事業者に対する罰則はそれなりに重い
理想的なのは学校でしっかりと教えられ、自分のこととして認識したり、違反があれば遠慮なく労働基準監督署に届け出ることです。
ちなみに有期労働契約は原則3年、専門的な労働については5年となっています。
他にも年次有給休暇や就業規則も労働基準法が規定するところなので、本当に重要性が高くて軽視できない法律だと分かります。
労働者を守り権利を保障する法律ですから、違反した事業者に対する罰則はそれなりに重いです。
強制労働の罰則に違反すれば1年以上10年以下の懲役、または20万円以上300万円以下の罰金です。
中間搾取に関する定めもあって、これに違反すると1年以下の懲役か50万円以下の罰金となります。
更に均等待遇や男女同一賃金の原則、契約期間や労働条件の明示の決まりもあり、それぞれ懲役や罰金が定められています。
労働基準法は雇用契約を結ぶ人に適用される
労働基準法は雇用契約を結ぶ人に適用されるので、例えばフリーランスのような働き方をする人には当てはまらないです。
つまり、フリーランスだと労働時間や有給休暇が法律で保護されず、違反があっても法律による保護が受けられないことになります。
とはいえケースによっては使用者と労働者の関係が認められ、法律が適用されることもあります。
余談ですが、農業や畜産、養蚕に水産業に従事する人は法定労働時間や休憩と休日の規制の適用対象外です。
林業だけは例外ですが、管理監督者や機密を取り扱う人、監視や断続的労働に従事する人も規制が適用されないです。
労働基準法では、労働者の権利として事業者に労働契約を明示してもらったり、賃金や労働時間などの条件を明確にしてもらうことができます。
休憩はいつどれくらい取れるか、休日は何日あるか、年次有給休暇の日数や内容についてもしっかりと決めることが求められます。
まとめ
当然ですが、労働者も法律を守る必要がありますし、就業規則を破るようなことがあればペナルティを受けます。
使用者と労働者がお互いを守ることにも繋がるので、法律の目的や内容を理解して、自分のこととして考え厳守することが大切です。