クレーマー対応のポイント

クレーマー対応する男性 企業法務
この記事は約4分で読めます。

クレーマー対応は一見すると一方的に暴言を吐かれるなど、いわゆるサンドバッグになってしまうイメージがあります。
しかし、正しく対応することでクレーマーの攻撃は弱まり、早い段階で終息させることができます。

心理的に共感して敵ではなく味方と感じてもらう

ポイントはやはりクレーマーと向き合うのではなく寄り添い、心理的に共感して敵ではなく味方と感じてもらうことです。
また不快感を与えてしまったことについてはお詫びを申し上げ、何が問題かを整理してから解決に向かう努力をすることが大切です。
ただお詫びするだけだと、何を詫びているのか分かりませんし、それでは問題を解決しようにも解決しないです。
まずは不快にさせてしまっていることをお詫びして、それを共有することから始めるのがポイントとなります。

どうすれば不快感が取り除けるかを話し合う

次に不快感の原因は何かを特定して、どうすれば不快感が取り除けるかを話し合うことです。
例えば、購入した商品が壊れていた、あるいは数回使っただけで使えなくなった、このようなクレームの場合は原因が明白です。
こういうケースの正しいクレーマー対応は、商品が壊れたり使えなくなってしまったことをお詫びして、初期不良か保証期間中かを確認します。
初期不良期間中の問題発生であれば交換対応、保証期間中なら返送してもらって修理、もしくは交換となります。
クレームの原因は何か、責任の所在はどこにあるのかなどを明確にして、その保証対応などをしっかりと行うことが終息の早いクレーマー対応に繋がります。

相手の感情に反応して謝罪することはNG

下手に問題も原因も特定せずに謝罪をしてしまうと、クレーマーは更なる謝罪や誠意を求め始めます。
これではクレームがエスカレートするだけですし、いくら謝っても終息するどころか助長させてしまう恐れがあります。
まずいのは相手の感情に反応して謝罪することで、申し訳ない気持ちを表現したり伝えることは大事ですが、この対応は間違いです。
一方、迷惑を掛けていることに関するお詫びを伝えること、一緒になって原因とその解決の姿勢を見せることが、クレームをエスカレートさせないコツです。
感情に感情で反応してしまえば、それは相手の思うつぼですから、無感情とまではいいませんが感情的にならない対応が求められます。

クレーム対応の終わり方

商品の破損は保証対応で解決しますが、相手が納得したら最後にもう一度お詫びを申し上げて、クレームを伝えてもらったことを感謝して終わります。
クレームに感謝というと少し変な感じがしますが、この対応を受けたクレーマーは、冷静な対応をした自分が良いことをしたのだと認識します。
つまり、次回からはいきなり感情的にならずに、冷静になってクレームを伝えてくれる可能性が高くなることを意味します。
最後の感謝については、喜びを若干感情的に伝えることが、次に繋げるクレーム対応を成功させる鍵を握ります。
終わりまで無機質な対応が続くと、クレーマーは気味を悪く感じたり、対応を思い出した時に無感情的な対応が苛立ちを引き起こしてしまう可能性があります。
いずれにしても、クレーマー対応は1つ間違えると長引いてしまったり、余計に攻撃的にさせてしまう恐れがあるので要注意です。

クレーマーは自らが正義だと確信している

クレーマーは大抵、理不尽な物言いで攻撃してきますから、それを全て認めて受け止めるのは大間違いです。
早く終息させようと焦り過ぎてしまうと、謝罪して理不尽な要求を飲み込み、クレーマーを喜ばせてしまうことになります。
これは確かに早くクレーム対応が終わるかもしれませんが、最後に残るのは追及に関する非を認めさせ、要求を飲み込ませて勝利を確信したクレーマーです。
クレーマーは自らが正義だと確信しているので、この間違ったクレーマー対応を続ける限り、本人は誤っていることに気がつかず同じことを繰り返します。
理不尽な要求をされたら飲み込まないこと、受け入れられないことは受け入れられないとハッキリ伝えることが基本です。
何でも相手の言う通りにしてしまえば、クレーマーの言いなりになってしまうので、クレーマー対応としては失格です。

法律の専門家に相談したり法的に対応するのもあり

感情的になるのはNGですが、理不尽にはNOという姿勢を貫き、あまりに横暴で業務を妨害していると感じたら法律の専門家に相談したり、法的に対応するのが正解です。
相手をお客様だと考えると丁重に扱わざるを得ない気持ちになりますが、クレーマーに対しては対等な交渉相手と捉えるのが良いでしょう。
理不尽な要求は、いわば企業に損害をもたらそうとしているわけですから、そういう要求をする相手は明らかにお客様ではなく悪質な人物です。
様付けで名前を呼ぶと誤解させてしまうので、お客様ではないと認識した時点で、様からさん付けで呼ぶようにするのがおすすめです。
僅かでも落ち度があると、クレーマーは徹底的にそこを突いてきますが、認めていいなりになるといつのまにか落ち度が大きく認識されてしまうので注意が必要です。

まとめ

落ち度があってもまずはお詫び以上のことはしない、損害を与えてしまった場合は別途補償対応をするなどが望ましいです。
企業は法律における義務の範囲が存在しますから、それを理解した上で、一貫した対応を心掛けるのが理想的だといえます。

タイトルとURLをコピーしました